
日本ではここ5年ほど実質賃金は下がり続けています
実質賃金とはもらった給料(名目賃金)から消費者物価指数に基づく物価上昇を引いたものなので、インフレ時にはそれを上回る賃金上昇をしなければマイナスになってしまいます
名目賃金自体はここ5年でもずっとプラスになっていますし、最低賃金も過去最高の上げ幅になった事がニュースにもなりました
しかし実質賃金はここ5年でもプラスになったのは数回だけ(ボーナス月と定額減税があった時)です
つまりずっと現役世代は貧しくなっている事になります
ただしインフレ自体が悪い事ではなく、元々長期に渡るデフレを止めてインフレに転換するために国は努力してきたわけですし(目標が物価上昇率2%)その目標をコロナ禍以降達成し続けている事になります
最近は3%を超えていて、特に食料品とエネルギーは7〜8%上昇したりしています
つまりインフレに賃上げが追いついていないという事が問題なので、日本が経済成長していた時代もインフレは続いていました
日本がインフレしないでずっとデフレのままだったら、円安も加わって海外から見たら全てのものが(食料・土地・企業など)今以上に安くなって買い叩かれますし、他の先進国に買い負けて食料や原油、医薬品等が入ってこなくなってしまいます
そうなったら本当の意味で貧困国になってしまいます
そうならないためにも今のインフレ以上の賃上げと減税が必要なのですが、なかなか上手くはいってません
しかし株価などはインフレを遥かに超える上昇率を推移しています
日経平均なども5年で倍位にはなっていますし(年率15%ほど)、元々相場の高かった米国株も同じ様に上昇しています
また地価も都心部は上昇し続けていて、東京などは年5%上がっていますし、新築マンションの平均が一億を超えました(誰が買えるんだと思いますが)
後はこのブログでも何度も書きましたが金(ゴールド)の上昇はそれらを全て凌駕しています
5年前1グラム6500円程だったのが今は19000円近くになっています(年率25%)
それ以外でも株主配当も着実に増え続けています
つまり様々な資産を持っている人達は、インフレによってどんどん豊かになっているという事です
さらにこれに追い打ちをかけるように金利上昇が起こると、ますます現役世代がきつくなります
特にローンを払い続けている人や、これから家を買おうと検討している人は、ただでさえ不動産価格は値上がりしているのにそれに金利まで上がってしまっていたらほとんどの人は買うことが出来なくなります
普通に考えて一億近い物件など、今の金利でも長期ローン組んだら軽く一億超えます
相当頭金入れられる人か親の援助がある人、もしくは共働きで2人ともかなり稼いで世帯年収2000万円位ないと厳しい、ほぼ無理ゲーという世界です
そんな中で頑張って働いても思うほど賃金は上がらず、税金・社会保険でかなり取られ現役世代が苦しんでいる間も富裕層は資産を増やし続けています
もちろん富裕層が悪いという事ではなく、世の中のシステム(税制などを含めて)がそうなっているので仕方はありません
また現役世代だけでなく、年金世代も支給額は物価に追いついていないので資産がない方たちは厳しいのは間違いありません
当社のような骨董などを中心とした買取業者は、お伺いするお客様は平均的に豊かな方たちが多いため、お話を聞いていると「なるほどこういう方たちが、こういったマンションに住まわれているのか」とか「とはいえある人たちには、ある人たちならではの悩みもあるんだなぁ」と思う事も多いです
それでもやはり「羨ましいなぁ」と思う事が多いです
数年前に古くなった実家の整理をするお客様に呼ばれて、買取をさせていただいたのですが(タワマンが立ち並んでいるような所)その時聞いたのが「この家は解体してマンションにするので、土地は等価交換で一部屋貰うことになった、お金で貰うと税金が凄いから」と言っていました
それから数年して新しいマンションに買取の相談で呼ばれたのですが、まぁ立派な高級マンションで聞いたらたった数年で資産価値は倍になったらしいです
その含み益は、その間私がどんなに頑張っても稼ぎ出す事は無理です(税金もありますし)
確かにこの仕事を続けていて振り返ってみると大きい仕事は、やはり富裕層だったり昔からの名家の場合が多いですし、そういった方達にしっかりとアプローチしてさらに満足してもらえる事が、この仕事で成功する為に大事なのは間違いありません
ただしあまりにもその傾向(格差が広がる)が続いてしまうと国全体から考えると歪な形になり、持続可能な社会にはなりにくいと思ってしまいます