スマホに駆逐された(一変した)業界 古物の世界から見ると

2025-09-08

  • 買取業界の事情

スマートフォンが世の中に登場したのが2007年になります

この年にiPhoneとAndroidが発売されて、大げさではなく世界は一変しました

私はスマホに乗り換えたのは少し後でしたが、やはり使ってみると便利ですし、今となっては仕事だけでなくプライベートでも手放せなくなっています

電車に乗ってもほぼ全員の人がスマホを見ていますし、当社を見つけてくれる人の8割はスマホからなので、ビジネスをする上でも重要なツールになります

そしてこのスマホの普及率や進化によって、様々な業界に大きな影響を与えました

ざっと考えただけでもカメラ・オーディオ・テレビ・CD・古本・時計・万年筆などなど多岐にわたります

例えばカメラなどは、ほとんどがスマホで済みます

昔の様に多くの人がデジカメを買ってたくさん撮ってSDカードに保存したり、それより前はフィルムを現像に出してアルバムに貼ったりしていたことが、デジカメ一つで済むようになりました

性能もどんどん上がっているので、わざわざデジカメを買う人は少なくなっています

また動画も問題なく撮れるので、ビデオカメラ・8ミリなどもほとんど必要なくなりました

実際私も子供の行事などに言っても、一部の人は最新式の高級デジカメを使っている人もいますが、ほとんどの人がスマホで撮影しています

当社が遺品整理でお伺いさせていただくと、かなり多くの家で海外旅行などの写真が何冊ものアルバムに収められていて、その処分に困っている方たちがいますが、いずれそういう事も無くなるのでしょう

そして中古ビジネスから考えると、中級以下のデジカメなどは売れなくなりましたし、それは新品でも同じです

古いレアなカメラやレンズもしくは高級モデルのデジカメなどは高価で買取出来ますが、それ以外は価格は安くなりました

ただし当社は輸出業者に売るルートもありますので、買取は可能ですし量が多いと思わぬ高価買取になる場合もあります

次にオーディオですが、私が学生の頃などは皆バイトしてCDコンポを買ったものですが、今はスマホとイヤホンで充分みたいですし、昔の様にCDを買ったりレンタルショップで借りたりはほとんど無くなったので、中古の世界でもオーディオもコンポや安めのシリーズはほとんど売れなくなりましたし、一部のマニアが好むようなハイエンドのオーディオや真空管アンプ、オープンリール以外は高額になる事はあまりありません

またCDも大手リサイクルショップも買取を停止したり、需要は先細りしています

時計も時間を知るのはスマホがあれば事足りるので、時間が知りたいだけの人は時計をつけなくなりました

もちろんロレックスを始めとする高級時計は資産価値もあり、買取も販売も各業者が欲しがる商材ですし、レアなモデルや最近の金高騰によって素材に金やプラチナを使ったものはどんどん値上がりしています

ただしそうではない普通のクォーツ時計などはあまり売れなくなりましたし、置き時計・ホールクロックなどは海外にしか需要はありません

なのでこのあたりの時計の為にも、海外へのルートは重要になります

またYouTubeやサブスク等もスマホで視聴出来るので、テレビも持たない家も増えているようですし、スマホに時間を取られて本や新聞なども本当に売れなくなりました

環境などを考えるとスマート化されてsdgsの観点からも、良い事の方が多い気もしますが我々の業界から考えると将来は厳しい時代になるでしょう

ソフトにしても配信が中心になるため一気に0になるわけではありませんが、取扱数も需要も少なくなっていきます

そうなってくると先程から書いているように、多くのジャンルでスマホの影響を受けて、一部高級モデルやレアな品物以外の物が淘汰されていくような気がします

なので大量に仕入れて大量に売るといったビジネスモデルが通用しなくなり、スマホの影響を受けない名品が徐々に古物の中心になっていきます

しかしそういった品物は業者間でも取り合いになるので、いかにそういった物をお持ちの方にアプローチして、買取でも納得していただく事が需要になってきます

どちらにせよ厳しい時代になっていくのは間違いありません

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